平日に学校がお休みの日があった。行ってみたい場所が人の多い駅の近くにあったことを思い出した。そこは春休みに行こうと思っていた。けれど急に今日行こうと思った。
それはわたしの本を置いて紹介してくれた本屋「亜笠不文律」さんだ。「路面電車に乗ってきてください」と言われていた。わたしは幼い頃から電車が好きだ。晴れた日に、街を眺めながら乗りたいなと考えていた。
混んでいる駅を、心を空っぽにして通り過ぎる。最近、わたしが会得した技だ。ざわめきを受け止めると、何も考えられなくなる。だから先に何も考えないようにするのだ。何も考えず窓の外を見てる。もしくは、ターゲットで英単語を見ている。
路面電車の駅はそんなにうるさくなかった。車内も大丈夫であった。街を眺めながら走ることを想像していた。だけど、乗ってみたらいつも乗っているバスとあんまり変わらなかった。ただ、ガタンガタンと電車の音と振動がする。

目的の駅に降りると、いきなり車道であった。停留所のある道幅はすごく狭くて、浮島みたいだ。わたしはいきなり車に轢かれそうになり、家族に服を掴まれた。なるほどと思った。路面電車だ。
「亜笠不文律」さんは、Googleマップの案内ですぐわかった。どうやって入ろうかなと迷った。こんにちは、だろうか。でも本屋さんに入るときには挨拶しないのではないか。
どうしようかと考えていたら、朝井リョウさんの単行本がお店の外に置かれていて、忘れて手に取った。これはわたしは家に持っている。そして次の本を見ているうちに、中に入っていた。そういえばわたしは、大きい本屋さんしか普段行ったことがないかもしれない。
亜笠不文律さんには、たくさん罠が張ってある。気がつくと朝井さんの本を開いていたりする。本がシャッフルされている。わたしの知っている本屋さんのルールで本が並んでいない。興味を惹かれて、吸い寄せられる。いつもの本屋さんでは見ない本がこっちを向いている。
「見たことのない本がある」と言ったら「実はこの本は大体の大型書店にはあるのです」と亜笠さんが教えてくれた。あるのだけど気が付かないらしい。この本屋さんは、普段出会わない本に出会えるところのようだ。
わたしの本「わたしは、あなたとわたしの区別がつかない」は多分エッセイがあるところにあった。上や隣を順番に見ていく。「痛いところから見えるもの」ちょっとずれると社会問題・・・「闇の奥」、「傷の声」、「なくなれば良いのに」「世界は誰かの正義でできている」・・その辺りがわたしの目に引っかかった。わたしはこの中からルールを探そうと考えた。

とりあえずは、物語は無いようだ。人の心の中の話かなと考えた。そしてここに自分の本があるのがやはり嬉しかった。わたしは常識を学ぶのが下手だ。みんなが知っているはずのことを、存在することも知らなかったりする。でもこの場所では、柔らかなイメージでcommon senseが膨れて広がっていく。
いろんなことを考えている人がいる。大きな本屋さんでは、今の流行りが見える気がする。この本屋さんでは、誰かの考えが静かに並んでいる。声高に叫ばずに、こっちを見ている。いつも思うけれど、わたしの視野は狭いなと思う。
わたしの本は、わたしの予想よりもたくさん入荷されていた。もしも、売れなかったら申し訳ないなとわたしは考えていた。亜笠さんは「もう既に10冊くらい売れているから大丈夫」といってくれた。それを聞いてわたしはとても嬉しくなった。
でも家ではそう考えていたのだ。だから、わたしの本を買ってくれた人に、オマケをつけたらちょっと嬉しいかなと思った。なぜなら、わたしは本屋さんで、おまけをもらうと、とても嬉しいからだ。例えば、ナツイチの猫など集めている。挟まっている栞も好きだ。
わたしは「ハッタツくん」などの、キーホルダーと磁石を作って行った。買ってくれた方、全員ではなくて、おまけが欲しいなと思ってくれた人、貰ってくれたら嬉しいです。わたしはみかんが好きなので、みかん色だ。

長くなりすぎちゃったから、まだ書きたいことあるけど、前後編にします!あんまり数はないけど、オマケを貰ってくれたら、嬉しいです。


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