春から学校のコースが変更になった。
前々から、説得を受けていた。わたしの成績は科目によって極端に差がある。二学期期末試験の時もかなり危うい点数で、大量に勉強した。わたしの勉強量は人に言ってもあまり信じてもらえないくらい多い。その割には冴えない点であるから余計にだ。
暗記は得意なのだが、テストになるとなぜか答えられない。その原因を探ると、どうもわたしは並びの順で覚えているらしい。だから、順番が変わるとわからなくなるのだ。その対策として、塾の先生から「ワードカードを使うとかなりいいよ」と勧められたので、それをつかってやってみることにした。
わからなければすぐにカードにして、すぐに復習する。カードをバラしてシャッフルする。さらに数日後、もう一度やってみる。それを何回も何回も繰り返した。いつもよりもかなり覚えられていることが実感できるくらいになった。暗記ものだけでなく、数学の問題もコピーして一題づつに切り、順番をシャッフルした。
学年末の結果は、自分の過去の成績に比べるとかなり良かった。だから、とても悔しかった。今までもこうしていたら、なんとかなったかもしれないのに。やはり結果はコース変更をした方が良いと出た。
全てのことが意味をなくしたように感じた。私の未来は一瞬にしてなくなってしまった。誰とも話したく無かった。家にも帰りたくない。その日は深夜になるまで家の中は大騒ぎになった。
翌日から英検の勉強を始めたが、未来が消えているので、どこにいくべきなのか分からず、困惑して手が止まる。そんな日々がしばらく続いていた。
コース変更をすると、わたしの苦手な理数科目がなくなる。勉強のハードルが一気に下がる。それは多分楽であるのだけど、もう理数はやらなくても良いと言われると、理数から首にされたような気になった。新しいクラスの行くのは、気が重かった。身体のあちこちが勝手に悲鳴を上げ始める。気持ちがおかしくなると、体に出る。春休み中、わたしはこの苦しみと戦った。
春休みが明けて、クラスと担任が発表になった。中学部で二年間担任だった先生が担任になった。新しいクラスに入ると、見慣れた本棚やロッカーが並んでいた。まるで、中学時代を再現をしているようだった。
わたしの中でホームボタンが再生されて浮かび上がった気がした。わたしの安心できる場所がもう一度作れる気がした。だけれども、クラスメートは違って、全く知らない人達だ。その中でまた、この場所に合う自分を作って行くのだと考えた。よく知っている故郷に帰ってくるような感覚と、見知らぬ場所が同時に見えた。
新しい生活はいつも苦手だ。4月は桜がきれいで、他にも芽吹いて明るい気持ちになりやすい。でも暗い気持ちにすぐ引き摺り込まれる。揺れて落ち着かない。あんまり不安で、不安なことで頭が覆われる。でも新しい箱を空けてみると、意外に大丈夫だったりする。崩れた道路が復旧され、私の未来が少しだけ作られたような気がした。
新しく始まった授業は、テキストの見方からまた覚えねばならない。わたしは、どこか重要なのか、どう見るのかも慣れるまでわかりにくい。4月は新しい環境に慣れるので精一杯で、あまり文章が書けない。みなさんも、新しい環境は大変だと思うけど、頑張りましょう。
