出版元から最後に入荷したAmazonの在庫がなくなりました。
読んでみたいと思ってくれる人は、書店に注文してください。
わかりにくい自閉症という障害を少しでも知ってもらいたいと考えています。わたしは単なる高校生ですが、伝える機会を得ました。伝えたことで僕自身が理解してもらえることが増えました。本を書いたときは15歳でしたが、今は17歳です。あれから、受け入れられやすくなったことを現実で感じています。
知らないものは怖い。知れば怖くなくなる、僕はそう考えています。
あいつはおかしな奴だと、遠ざけられれば生きにくい。
わたしは何を考えているのかわからないと言われます。だから次に何をするのかわからなくて怖い。目の中を見ても読めないらしい。わたしは人の気持ちが読みにくいですが、わたしのことも周囲が読めなくて困っている様子です。
嫌味を言っても、通じなくて「ありがとう!」とポジティブに返すのも怖いらしい。
まぁ、それはいいじゃないかと思いますが。
その人たちの中で、わたしの本を読んでくれた人がいます。読んだ後、「いきなりハンマーで殴って来るようなタイプかと思っていたんだけど、意外に普通の中身だった」「子供かと思ったら、中身は高校生だった」など言ってもらいました。
総じて、一体自分はどんなふうに思われているんだ!?となるビフォアーですが、アフターは「わりと普通」に変わってもらえるので万々歳だと考えています。
わたしの本を読んで「自閉症の人の世界の見え方を知った」「こんな感覚があるのか」と言っていただくこともたくさんあります。嬉しいです。それに対して、わたしという存在を先に知っていて、本を後から読むと「普通だった」と言われる。
本が先だと「自閉症から見える異世界」
わたしが先だと「意外にふつうな人」
まとめるとこんな感じでしょうか。同じ本を読んで、こんなに違う。いかにわたしが妙な印象を周りに与えているのかと考えました。
どちらにせよ、何かの見え方が変わってくる現象が起きていると思います。本が触媒になったら嬉しい。 本を読んだり、toitoiを見たりしたみなさんが、わたしに感想をくれた。それを読んでわたしの将来や、社会を考えるようになりました。わたし自身はずっと自閉症であることに変わりはないですが、わかりやすい人になりたいと考えています。
「わたしは、あなたとわたしの区別がつかない」を読んでみたいと思ったら、書店に注文してくれたら嬉しいです。そうしたら、売り切れになってしまったものが、もう一度印刷されます。あれは自閉症である、わたしの取り扱い説明書なのです。
わたしは将来も知ってもらう活動をして行きたいと考えています。ささやかでも、ゆっくり続けて行きます。そのことを考えながら学校でも進路を考えています。障がいは人間と社会の境目にあるのだと教わりました。境目を優しくすることが、少しでもできたらいいなと考えます。これは最初の作文を書いた頃は考えたこともなかった。
出版から一年が経ちました。わたしの生活は何も変わりません。
本を買ってくれたみなさん、ありがとうございます。感想はできるだけ拾って読んでいます。学校の勉強がどんどん難しくなりわたしの机に乗り切らないので、なかなか返信できませんが、いつも嬉しいです。
(写真はこないだ行ったランタン祭り)